「ローマ人の物語 迷走する帝国」を読んだ

文庫版32巻〜34巻。三世紀、211-217年のカラカラ帝から282-283年カルス帝まで、(ディオクレティアヌス帝の即位まで)のお話です。帝国の衰退に伴って文章も淡々とした調子で読み進みました。ユリウス・カエサルの頃のわくわく感*1は、アウレリアヌス帝の「速攻」によるローマ帝国の再復に見られる程度。その彼も秘書の謀略によって殺される。
ローマ人はローマ人らしさを失っていく。公共心の低下、総ローマ市民化による「ローマ市民権」の魅力失墜、力の無駄遣いなどなど。なんともはや、な感じ。
ローマ人の物語〈32〉迷走する帝国〈上〉 (新潮文庫 し 12-82)

*1:著者の塩野 七生氏がカエサルLoveすぎるのもあるけども、カエサル著「ガリア戦記」のわくわく感はすごい