またもローマ人の物語から。*1
曰く、ローマ時代の書物はパピルス紙の巻物であった。カエサルはこれを切断し、紙の束にして閉じる形にした。読みたいところを即座に読めると言う合理性からの考えである。しかし、「重々しい振る舞い」(グラヴィタス)を好むローマ支配階級の男達には不評で普及しなかった。
そして時が過ぎ、中世時代の修道院がこの造本法に注目した。当時主流となっていた羊皮紙はゴワゴワしていて、巻物には適さなかった。切断して束にして、皮のハードカバーをつけることで、このゴワゴワを押さえ込むとちょうど良かったようだ。そして、この方法が、紙が薄くなった現在でも続いている、ということだそうだ。
ローマ人の物語〈12〉ユリウス・カエサル―ルビコン以後(中) (新潮文庫)
- 作者: 塩野七生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/09/29
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普段当たり前に存在しているものも、歴史がつながっているというのはすごい。
*1:実は読むの2度目、メモしておきたいと思うのは、自分が覚えてなかったから書いておこう、という考えかもしれない。