現在の本の形を考案したのはカエサルらしい - ローマ人の物語

またもローマ人の物語から。*1
曰く、ローマ時代の書物パピルス紙の巻物であった。カエサルはこれを切断し、紙の束にして閉じる形にした。読みたいところを即座に読めると言う合理性からの考えである。しかし、「重々しい振る舞い」(グラヴィタス)を好むローマ支配階級の男達には不評で普及しなかった。
そして時が過ぎ、中世時代の修道院がこの造本法に注目した。当時主流となっていた羊皮紙はゴワゴワしていて、巻物には適さなかった。切断して束にして、皮のハードカバーをつけることで、このゴワゴワを押さえ込むとちょうど良かったようだ。そして、この方法が、紙が薄くなった現在でも続いている、ということだそうだ。

ローマ人の物語〈12〉ユリウス・カエサル―ルビコン以後(中) (新潮文庫)

ローマ人の物語〈12〉ユリウス・カエサル―ルビコン以後(中) (新潮文庫)

普段当たり前に存在しているものも、歴史がつながっているというのはすごい。

*1:実は読むの2度目、メモしておきたいと思うのは、自分が覚えてなかったから書いておこう、という考えかもしれない。