「第四回エンターテインメントと認知科学シンポジウム」に参加

昨日(3月22日)に電気通信大学で開催された「第四回エンターテインメントと認知科学シンポジウム」に参加してきました(シンポジウム自体は23日もやってます)。特別セッション「e-sports:FPSの深遠なる世界」内で、WarsowBotの説明、プレイ実演、その後の感想戦、質疑応答などを行いました。

松井さんの講演資料はそのうちIGDA日本 デジタルゲーム競技(e-sports)研究会で公開されるかも。

Warsow実演

実演前にBotに関して何か、とマイク渡されたときはどうしようかと思いつつ喋りました。松井さんの話を繰り返しただけな気がしますが、現状のBot実装の不満点(視点移動がありえない、とか微妙な場所で戦い始めてしまう、など)を述べました。
実演となるvs fumioとのエクシビションマッチは割と快勝でした。fumioがUSBポーリングレートを変更出来なかったのがかなりAim精度に影響してたようです。持ってきたドライバが動かなかったとかなんとか。ここら辺の設定は、PCにつなぐだけで自動で完了すれば楽なのにな、と毎度思います。
実演中、松井さんは「Botと人間では動きが違う」という点を理解して貰えるように説明してたようです。もちろん、自分は全然聞いてる余裕無くWarsowに集中してました。最初1回、何故かスクリーンをチラ見してしまいましたが:P

質疑応答

どんな質問が飛んでくるか予測できなかったので割と緊張したのが質疑応答。普段感覚的にやってることを、言語化して説明するというのがなかなか難しかったです。質問に答えた後、変なこと言ってないよねー、と右にいたfumioに目で確認しながら喋ってました。
必死だったので詳細な内容は覚えてないのですが、ざっくりとこんな質問がありました。

  • その瞬間における状況判断の分解能と階層化
    • 1秒、10秒といったスケールでの判断はあるのか?それは同時並行で行われてるのか?
  • 有利不利といった状況は数値化可能か?
    • 体力アーマー以外の有利不利、MAPでのポジション取りや「流れ」の数値化はどうモデル化するか

もっとあるけど思い出せない。誰か議事録取ってた方はいらっしゃらないかな。

[追記 3/24]
思い出した質疑を追加。記憶による改ざんの可能性あり :P

  • Warsowの上達に重要な要素は様々あると思うが、一番重要なのは何か?
  • 距離の認識分解能はどの程度か?厳密な単位として認識してるのか、感覚でおおまかに認識してるのか
    • 奥行きは感覚で捉えている。(自分から見て)横方向はキャラクターモデルのサイズ程度(攻撃が当たればいいので)
    • (質疑では言わなかったけど) ヘッドショットなどの部位ダメージのあるゲームだとさらに細かくなるかもしれない

水上さんによるWarsow AIの発表

松井さんの講演から続けて、電通大の水上さんより「FPSゲームWarsowにおける人間的なAIプレイヤーの構築」の発表。プレイヤーデータを学習と言っても、考慮するパラメーターが大量にあり大変なようでした。結果としては既存AIより「人間らしい」動きになったとのことで、後ほど見せてもらったデモを見ても「人間らしく」なっていたと思います。
ただ、移動状態、交戦状態、迷い状態といったAIの挙動の状態遷移の部分は変更していないため、戦い始めたらアイテム取りに行かないなどの点は改善できていないそうです。状態遷移を改良するとかなり効果がありそう。
水上さんの研究結果はWebでも公開する予定とのことですが、時期的に忙しいので時間がかかるかもとのことでした。

雑談

シンポジウム開始から、ずっとプレイヤー席に座ってスクリーンを見ていたので、質疑応答になってから人が一杯入っていて驚きました。学生っぽい人や先生っぽい人に交じってWarsowプレイヤー(nasa, qwee, Hassaway, Guwashi)が座ってるのがなんか面白かったです。質疑の始まりだか終わりだかにuNなんとかさんが部屋に入ってきた気がする。あと、何故か撤収前にnasaと1戦やることになりました。あの流れはなんだったんだろう。
nemukeさんも来てました。RTSも研究対象として面白そうだなーと思いつつ質問をしてみたりしました。トレーニング相手としてのAIはジャンル関係無くモデル化出来そうかなと素人なりに思いました。
他にも、懇親会も含めて色々雑談しました。割と記憶が曖昧なので書くのは控えておきます :P

謝辞

今回はこのような貴重な機会を頂きましてありがとうございます。電通大の伊藤先生、グルーブシンクの松井さん、また機会がありましたらよろしくお願いします。有意義な質疑応答をしてくださった皆様、見に来てくれた皆様ありがとうございました。